35年前の彼と別れ

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60代の主婦です。

この歳になると、子供も自立したあとなので、自分自身と向き合いゆっくりと考える時間ます。

なので、最近昔の事をよく思い出すようになりました。

つい先日、昔若い頃に書いていた日記を取り出して見ました。

若い頃付き合った彼とのことが書いてあるのを見て、昔の事を鮮明に思い出したのです。

その人とは5年間付き合いましたが、ある日突然「もう会わないほうがよいと思う」と切り出されました。

私としては大きな喧嘩をしたわけでもなく、二人の仲が停滞しているとは思っていなかったので、晴天の霹靂でした。

彼に「私のどこが悪かったのか」「理由は何なのか」と問い詰めると、「別に君のことを嫌いになった訳ではない」と、「ひとりになって考えたいことがある。気持ちが変わったらまた連絡する」と言われました。

彼とは学生時代のサークルからの付き合いで、友達関係から恋人に発展した、本当に気の会う恋人同士でした。

だから、彼から別れを切り出されても、「しばらくひとりで冷静に考えたら、私が必要だとわかるはずだ。連絡をくれるはずだ」と信じて待っていたのです。

ところがその後、信じられない光景を目の当たりにしました。

同じサークルの後輩だった女性と彼が、腕を組んで歩いていたのです。

その後、我慢できずに彼のアパートに行き、どういうことか問い詰めると、

「傷つけないように別れようと嘘をついたけど、もう、はっきりいって気持ちはない」

と、さらに「手紙と写真は処分してほしい」と、「もう手紙も電話もよこさないで欲しい」と言われたのです。

そこまではっきりと振られて、私は彼に何も言い返すことはできませんでした。

彼とのことは、両親や兄弟にも話せず、耐えました。

その後恋愛する気になれず、恋人の出来ない私を心配した両親や親戚のすすめでお見合いをして、良い相手とめぐりあい、今では幸せな結婚生活を送っています。

ひどい振られかたをしてから35年ほどたちますが、ふとしたことで彼の言葉を思い出します。

あの時、一言も言い返せなかったことが悔しくて悔しくて…

彼にもう一度会って、何か言えたら気持ちが収まるのかもしれませんが、どこにいるかもわかりません。

いい年してくよくよとしている自分が情けないけど、彼を憎み、恨む気持ちが甦ってきました。

気持ちが塞ぎこんでいると、掃除や料理などの家事がおろそかになってきます。

主人はおおらかなので家事について完璧さを求めませんが、私の様子がおかしいことが気になるようで「何があったのか」と心配そうに聞いてきました。

今まで主人には、過去に付き合った男性に関して何も話したことはありませんでした。

優しくて心が広い夫ではありますが、多分私の過去の話など聞いても気持ちよいわけがないからです。

しかし、今の私は胸のうちをすべて明かしてしまったほうが楽になれるのではないかと思い始めていました。

夫に「昔の話で、今はなにもないんだけど」と前置きをした上で、昔の彼の話をしました。

学生中に付き合い始め、とても仲が良かったこと。

5年付き合ったあとに、とてもひどい別れ方をしたこと。

ひどいことを言われたのに何も言い返せなかったこと。

その事が、今になって自分を苦しめていることを主人に打ち明けました。

主人は黙って聞いていましたが、私の話が終わると「頑張ったね」と一言だけ言って、私を抱きしめてくれました。

そのことで随分気持ちが浄化されました。

翌日、落ち着いた気持ちでさらにあの時の自分へ、ねぎらいの手紙を書きました。

それでさらに気持ちが落ち着きました。

私が今、優しい主人とめぐりあえたのは、35年前の彼と別れたからこそ。

今の幸せを大切にしよう、と思いました。